債務整理の際の担保権の実行5

○ 譲渡担保の私的実行
動産譲渡担保の私的実行は、債務者が目的物を所持しているので、所
有権留保の場合における目的物の引きあげと同様の方法をとります。

債権譲渡担保の私的実行にあたっては、債権質と同様に、あらかじめ
譲渡担保権設定の事実について第三債権者に通知し、または承諾を得
ておく必要があります。

不動産譲渡担保の私的実行は、譲渡担保設定契約の時点で債権者が
移転登記を得ているので登記簿上は問題がないのでずが、目的不動産
が債務者の家屋である場合には(債務整理の際の)債務者が立ち退きを
拒否して占有を継続するケースもあります。

債務者が占有しているのにそのまま不動産を売却しても低価格でしか
売却できず債権回収(債務整理)が困難となるので、占有者に対して建物
明渡請求訴訟を提起する必要があります。

・担保権の実行にも限界がある

担保権の私的実行は、裁判手続きを必要としない点で迅速な担保権の
実行というメリットがある反面、債務者の協力がない場合には結局裁判
で決着をつけるしかないという限界があります。

これに対して訴訟などの裁判によって担保権を実行する場合には裁判
所の強制力を利用して債権回収(債務整理)を実現することができます。

債務整理の際の支払意志3

心理的強制は、害悪や不名誉など不利なことを持ちかけるだけでなく、別
の有利な事業へ参加させるというように、利益や特別な名誉で誘う方法も
ある(債務整理の際、注意)。
これも力学的に相手の心を動かすという意味で、心理的強制の一つなの
である。

心理的強制に対するものに、法的な強制がある。実際に訴訟を起こして
給付判決をとり、差押えをし、競売手続きをとるものである。
これは、債権回収(債務整理)の手順そのものであるとともに、またその過
程においても、相手に苦痛を与え、心理的強制の役割を果たすものであ
る。

また法的な手続きの中には、刑事告訴だとか、あるいは破産申請のよう
に、債権回収(債務整理)の原因になるものもある。

ここにあげたほかにも、好ましい、好ましくないは別問題として、債権回収
のための直接行動、暴力、脅迫、その他のいやがらせなどが一つの強制
手段として存在する。
これらの方法は、たとえこちらは用いないとしても、倒産の場合などは、他
の債権者がこの手段をとることがあるので、債権者として考慮の中からは
ずすわけにはいかない。
場合によっては、債権回収(債務整理)にある程度の迫力が必要なこともあ
るから、そのような場合の限界を知るとぃう意味でも、研究する対象となる
ものなのである。